西濃桃李高等学校

西濃桃李高等学校いじめ防止基本方針(平成30年10月1日制定)

ここに定めるいじめ防止基本方針は、平成25年6月28日交付、平成25年9月28日施行された「いじめ防止対策推進法」(以下法という)第13条を受け、本校におけるいじめ問題等に対する基本的な方針及び対策等を示すものである。

1. いじめ問題に対する基本的な考え方

(1) 定義

法: 第2条

「いじめ」とは、児童等に対して、当該児童等が在籍する学校に在籍している等当該児童等と一定の人的関係にある他の児童等が行う心理的または物理的な影響を与える行為(インターネットを通じて行われるものを含む。)であって、当該行為の 対象となった児童等が心身の苦痛を感じているものをいう。

※「いじめは、どこの学校でも、どの子にも起こり得る」という認識の下、危機感をもって未然防止に努め、早期発見・早期対応並びに重大事態の対処を行う。

(2) 具体的ないじめの態様

  • 冷やかしやからかい、悪口や脅し文句、嫌なことを言われる。
  • 仲間はずれ、集団により無視をされる。
  • かるくぶつかられたり、遊ぶふりをして叩かれたり、蹴られたりする。
  • 金品をたかられる。
  • 金品を隠されたり、盗まれたり、壊されたり、捨てられたりする。
  • 嫌なことや恥ずかしいこと、危険なことをされたり、させられたりする。
  • パソコンや携帯電話等で、誹謗中傷や嫌なことをされる。 等

(3) 学校姿勢

  • 学校教育全体を通じて、いじめを人権問題ととらえて、「いじめは人間として絶対に許 されない」行為であるという意識を生徒一人一人に徹底する。
  • いじめを許さない学校づくり、学級づくりを進め、生徒一人一人を大切にする教職員の意識や日常的な態度を高める。
  • いじめ問題には、学校が一丸となって組織的に対応し、未然防止はもとより早期発見・ 早期対応に努める。
  • 解決したと即断することなく、継続して十分な注意を払い、折に触れて必要な指導を行う。
  • 生徒の主体的、積極的ないじめ未然防止活動を推進する。
  • 部活動内における良好な人間関係を築かせ、お互いが高めあえる組織を目指す。

2. いじめの未然防止のための取組

(1) いじめ防止等の対策のための組織

法: 第22条

学校は、当該学校におけるいじめ防止等に関する処置を実効的に行うために、当該学校の複数教員、心理、福祉等に関する専門的な知識を有する者その他の関係者により構成されるいじめ防止等の対策のための組織を置くものとする。

組織の名称
いじめ防止対策委員会
組織の構成員
学校関係者
校長
教頭
教務課長
総務課第1係長
総務課第2係長
第三者
弁護士
臨床心理士
保護者
組織の運営
いじめの未然防止、早期発見・早期対策等を実効的かつ組織的に行うため、また重大事態の調査を行う組織としていじめ防止・対策委員会を組織する。
年2回(4月と2月)いじめ防止対策委員会を開催し、学校のいじめ防止に対する取り組みについて第三者から意見をもらうとともに見直しを図る。(PDCA サイクル)

(2) 学校及び各分掌の取組

学校全体
教育活動全体を通じて、全ての生徒に正しい人権意識を醸成する。
生徒の豊かな情操や道徳心を育てる活動を推進する。(地域貢献やボランティア等)
お互いの人格を尊重し合える態度を育成する。
情報の「報告・連絡・相談」体制を整え、管理職を中心とした組織対応を構築する。
いじめ対応に係る教職員の資質能力の向上を図る職員研修等を開催する。
生徒指導部
学校生活における規律を正し、生徒が主体的に授業や行事に参加できるよう指導する。
定期的に「いじめ実態調査」(生活実態調査や迷惑調査等)を実施し状況を把握する。

※ いじめ実態調査は年4回実施

教育相談体制を整え、全ての教員がいじめ相談に対応できるよう職員研修を開催する。
心理検査や性格検査等を有効に活用できるよう職員研修を開催する。
情報モラルに関する指導を定期的に開催する。
外部機関(警察、子供相談センター、市役所福祉課等)との連携を図る。
MSリーダーズ活動を通じて社会貢献活動への参加により、社会の一員としての自覚を醸成し、自己有用感や自己肯定感を育む。
教務部
授業規律を整えるとともに、教科指導でわかる授業を確立する。
進路指導部
進路目標の早期指導により、高校3年間の方向付けや目的意識を育成する。
インターンシップや社会体験学習により社会における規律を習得させる。
特別活動部
HR活動の工夫により、生徒間のコミュニケーション力を育成する。
集団活動を通して道徳心や倫理観を育成する。
生徒会活動によるいじめ防止に関わる自主的活動の推進を図る。
学校行事における全校及び学年・クラス内の協力・協調による居場所や絆つくりを推進する。
部活動内における良好な人間関係を築かせ、お互いが高めあえる組織を目指す。
渉外部
PTA総会や学年保護者会等でのいじめ防止に向けた研修や講演会を開催する。
保護者会等でのいじめ撲滅に向けた活動を推進する。
いじめ問題について地域、家庭が連携した対策を推進する。

(3) 年間計画

行事 取組内容
4 始業式 いじめ防止に関する講話
第1回いじめ防止対策委員会 いじめ防止の年間の取り組みについて検討
5 二者懇談 学校での生活状況を把握
第1回校内いじめ調査 いじめ、迷惑調査(全校)
6 職員研修 いじめの対応の研修
保護者懇談会 家庭生活の状況確認
9 第2回校内いじめ調査 いじめ、迷惑調査(全校)
職員研修 教育相談の研修
10 始業式 いじめ防止に関する講話
11 二者懇談 学校での生活状況の把握
12 保護者懇談 家庭生活の状況確認
第3回校内いじめ調査 いじめ、迷惑調査(全校)
1 全校集会 いじめ防止に関する講話
2 第4回校内いじめ調査 いじめ、迷惑調査(全校)
第2回いじめ防止対策委員会 年間の取組の反省
3 職員研修 いじめ防止に関する研修

3. いじめ問題発生時の対処

(1) いじめ問題発生時・発見時の初期対応

法: 第23条

1. 学校の教職員、地方公共団体の職員その他の児童等からの相談に応じる者及び児童等の保護者は、児童等からいじめに係る相談を受けた場合において、いじめの事実があると思われたときは、いじめを受けたと思われる児童等が在籍する学校への通報その他の適切な措置をとるものとする。

2. 学校は、前項の規定による通報を受けたときその当該学校に在籍する児童等がいじめを受けていると思われるときは、速やかに、当該児童等に係るいじめの事実の有無の確認を行うための措置を講ずるとともに、その結果を当該学校の設置者に報告するものとする。

3. 学校は、前項の規定による事実の確認によりいじめがあったことが確認された場合には、いじめをやめさせ、及びその発生を防止するため、当該学校の複数の教職員によって、心理、福祉等に関する専門的な知識を有する者の協力を得つつ、いじめを受けた児童等又はその保護者に対する支援及びいじめを行った児童等に対 する指導又はその保護者に対する助言を継続的に行うものとする。

4. 学校は、前項の場合において必要があると認めたときは、いじめを行った児童等についていじめを受けた児童等が使用する教室以外の場所において学習を行わせる等いじめを受けた児童等その他の児童等が安心して教育を受けられるようにするために必要な措置を講ずるものとする。

5. 学校は、当該学校の教職員が第三項の規定による支援または指導もしくは助言を行うに当たっては、いじめを受けた児童等の保護者といじめを行った児童等の保護者との間で争いが起きることのないよう、いじめの事案に係る情報をこれらの保護者と共有するための措置その他の必要な措置を講ずるものとする。

6. 学校は、いじめが犯罪行為として取り扱われるべきものであると認めるときは所轄警察署と連携してこれに対処するものとし、当該学校に在籍する児童等の生命、身体または財産に重大な被害が生じるおそれがあるときは直ちに所轄警察署に通報し、適切に、援助を求めなければならない。

組織対応
いじめ防止対策委員会による対応

※ 第三者の派遣については県の施策「生徒指導スクールサポートチーム支援事業」を活用する。

対応順序
被害者、加害者の事実関係の把握(保護者との連携と協力)
いじめとして対処すべき事案か否かの判断(人権侵害に当たるかどうか)
判断材料が不足しているときはさらに調査
被害者のケア(必要に応じて専門家によるケアを要請する)
加害者の指導(成育歴や家庭環境等の背景を十分に考慮する)
保護者への説明
学校法人への連絡と経過説明(学校長が責任をもって知事に報告)
経過の見守り(事後指導)
報告書の作成(経過、背景、対応、結果等)

※ 問題解決とは、単に謝罪や責任を形式的に問うことで達成されるものでないことを理解し、生徒の人格の成長に主眼を置き、問題の再発を防ぐ教育活動を行うことが問題の解決となる。

※ 教職員は速やかに、いじめ防止対策委員会にいじめに係る情報を報告し、組織的な対応につなげる義務(法的義務)がある。

(2) 「重大事態」と判断された時の対応

法: 第28条

1. 学校の設置者又はその設置する学校は、次に挙げる場合には、その事態(以下「重大事態」という。)に対処し、及び当該重大事態と同種の事態の発生防止に資するため、速やかに、当該学校の設置者又はその設置する学校の下に組織を設け、質問票の使用その他の適切な方法により当該重大事態に係る事実関係を明確にするための 調査を行うものとする。

  • 一. いじめにより当該学校に在籍する児童等の生命、心身又は財産に重大な被害 が生じた疑いがあると認めるとき。
  • 二. いじめにより当該学校に在籍する児童等が相当の期間学校を欠席することを 余儀なくされている疑いがあると認めるとき。

2. 学校の設置者又はその設置する学校は、前項の規定による調査を行ったときは、当該調査に係るいじめを受けた児童等及びその保護者に対し、当該調査に係る重大事態の事実関係等その他の必要な情報を適切に提供するものとする。

3. 第一項の規定により学校が調査を行う場合においては、当該学校の設置者は、同項の規定による調査及び前項の規定による情報の提供について必要な指導及び支援を行うものとする。

対応順序
学校法人へ報告し、詳しい調査について、学校主体か学校法人主体かの判断を仰ぐ。
生徒の生命、身体または財産に重大な被害が生じる恐れがあるときは、直ちに所轄警察署に報告し、適切に援助を求める。
学校主体による調査組織の編成
いじめ防止対策委員会に、さらに必要な第三者を加えることができる。

※ メンバーは重大事態に直接の人間関係又は特別の利害関係を有しないものとし、公平性、中立性に努める。

※ 第3者の派遣については県の施策「生徒指導スクールサポートチーム支援事業」を活用する。

学校主体による調査における注意事項
学校法人と連携を取り指示を仰ぐ。
生徒のプライバシー及び関係者の個人指導に対する配慮は必要であるが、個人情報保護を盾に説明を怠ることがないようにする。
因果関係の特定を急がず、客観的な事実関係を速やかに調査し、可能な限り網羅的に明確にする。
学校にとっても不都合なことがあったとしても、事実にしっかりと向き合おうとする姿勢で臨む。
生徒への聞き取り調査やアンケート調査を実施する場合は、その対象となる生徒や保護者に説明する等の処置が必要であることに留意する。
調査結果は学校法人に報告し、学校法人から知事に報告する。

(3) いじめ「解消」の定義

いじめは単に謝罪をもって安易に解消することはできない。「解消している」状態とは、少なくとも以下の2つの要件が満たされている必要がある。

1. いじめに係る行為が止んでいること

被害者に対する心理的・物理的な影響を与える行為(SNS等を含む)が止んでいる状態が相当の期間(少なくとも3か月)継続していること。教職員は、相当の期間が経過するまでは、被害者・加害者の状況を注視する。

2. 被害者が心身の苦痛を感じていないこと

いじめに係る行為が止んでいるかどうかを判断する時点において、被害者がいじめの行為により心身の苦痛を感じていないと認められること。その場合、被害者・保護者の面談等により確認すること。

(4) 資料の保管

一次資料(アンケートの質問表等)・二次資料(記録文書等)及び調査報告書の保存期間は5年とする。

4. 情報等の取扱い

(1) 個人調査データについて

いじめ問題が重大事態に発展した場合は、被害者やその保護者に経緯や内容等を知らせるための報告書の作成が必要となったり、訴訟等に発展した場合には情報の提示を求められることもあることを想定して、生徒の在籍期間内は必ず保管する。

また、重大事態の調査組織においても、データが裏付け資料として大変重要であることから、必ず保管するものとする。特に生徒の自殺等が発生した場合は、心理検査、いじめ調査、迷惑調査等は大変重要な資料となる。

※ 心理検査等、いじめ調査(記名あり)、迷惑調査(記名あり)、進路調査等

(2) 心理検査等の有効活用について

心理検査については、生徒の性格や生活実態などを事前評価(アセスメント)するうえで有効な資料となり得るため、その扱いや活用方法について各学校で教員研修等を実施し生徒指導に積極的に利用する。

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